ひとことで言えば「子供の頃をノスタルジックに思い出せる小説」です。
ですがそれ以外の要素も混ざっていて、ちょっと余計では…?と、感じるところもありました。
それは、物語の合間に「キミ」と語りかけながら、主人公が昔の事を回想するところです。
「キミ」という呼び方も不自然に感じたし、「キミ」は別に不思議な存在でなくても良かったのでは?とも感じました。
(逆にこれがイイと思う人もいると思いますが…。)
ストーリーのざっくり説明はこうです。
主人公のモッチは、小学3年生の男の子で、同じ年の友達(リンダ、ニシ、エムイチ、ムー坊、ミハル)と「ウルトラマリン隊」を結成し、困り事などの依頼を受けてそれを解決する活動をはじめます。
困り事とは、猫さがしとか、人探しモノ探し、夜中に風鈴を鳴らしながら歩きまわる不審者の調査などです。
あっさり解決できた事もあれば、そうではなかった事も…。
それらのエピソードは、それぞれとても良くできていて読み応えがありしました。
昭和の子供ってこうだったなあと自分と重ねて懐かしくなったり、「ウルトラマリン隊」のメンバーがそれぞれ辿った運命について考えてみたり、「たくさんの喜びとたくさんの悲しみを全部抱えたままで死にたい。」という言葉に共感したり…。
最初に否定的な事を書いてしまいましたが、本当はとても良い物語だったと感動して、今でも余韻に浸っているくらいです。