Mayのブログ

大好きな本の紹介をしていきたいと思っています。猫も好きです。どうぞ、よろしくお願いいたします ฅ^•ㅅ•^ฅ💝

「魔女とキリスト教〜ヨーロッパ学再考〜」 上山安敏

とても興味深い内容ではあるものの、私にとってはとてもハードルの高い本でした…(´×ω×`)
まず魔女の事を知るには宗教の知識が必要になるからです。

この本によると、古代ヨーロッパで広く信仰されていたディアナ信仰は母性宗教であるため、父性宗教であるキリスト教の布教に影響していた…らしいです。

そしてその布教の過程で生まれたのが魔女??…みたいな…。
簡単に言うとそういう事ではないかと思いました。
…とても大雑把な解釈ではありますが。

でも面白かったのは、母性宗教に寛大だったヨハネとそうではなかったパウロは仲が悪かったという記述です。

私にはどの部分がそうなのかは分かりませんが、ヨハネの黙示録パウロへの当てつけではないかという解釈があると書いてあり、

そうなると宗教が神秘的なものではなく、人間によってコントロールされているものなのかもしれないとすら思えてしまいます。

そしてそれが「魔女裁判」のような理不尽がまかり通った理由ではないか?…と。

私が思っていたよりも魔女に関する伝承は古く考察は深く、サバトでは媚薬(幻覚による空中遊泳?)や人喰い、幼児殺しなどの残虐な事が行われていたようです。

これまで私が思っていた魔女のイメージは、宮崎駿監督の映画「魔女の宅急便」に代表されるような可愛らしいものだったのですが…。

ですがこの本を読んで、人間の欲望に翻弄された歴史を持つ、複雑な存在というイメージに変わりました。
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「猫のよびごえ」 町田康

私が町田康さんを初めて知ったのは、30年位前に姉が買っていた日本のロック専門雑誌で、です。

当時姉は、ストリートスライダーズというバンドのファンで、私はTMネットワーク松岡英明さんのファンでした😊💕

まあそれはさておき、そんなふうに町田さんは、もとはバリバリのパンクロッカーだった訳です。

その後、芥川賞を受賞されたり、「パンク侍切られて候」という小説が映画化されるなど、音楽活動だけでなく執筆活動でも活躍されるようになりました。

そんな経歴をお持ちのせいか、町田さんの文章にはそこはかとなくユーモアやメロディが感じられます。

この「猫のよびごえ」は、町田さんが一緒に暮らしている猫たちとの日常を綴ったエッセイです。

可愛らしい猫の写真つきのエッセイは、他に「猫にかまけて」「猫のあしあと」「猫とあほんだら」の3冊があります。
どれも面白おかしい内容です(ちょっと泣けるところもあるけど)

ですが私はこのシリーズの最終巻である、「猫のよびごえ」が1番好きです。

始めの頃より猫達との会話も阿吽の呼吸になっているし、新しく保護猫を迎える度に町田さんが記憶喪失になってしまうのも面白い。

でも、亡くなった保護猫達の事をすぐに書けなかった町田さんの優しさが私は1番好きです。

「みんなが生きていたこと、生きた時間を書いていきたい」
この本にはこんな事が書いてます。

またそれとは別に、黒猫王子のエルという猫は
「真心も下心も同じ心ですよ。心は心です。……」
と言っています。

猫についての本を書く事は、真心ではあるけれども下心でもあるのでしょうか…?


エルの言葉について考える町田さんの心の揺れが、この「猫のよびごえ」で、猫のフォトエッセイシリーズをおしまいにしようとした理由かな?などと私は勝手に考えてしまうのです。
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「発火点」 C・J・ボックス

アメリカの作家、C・J・ボックスさんの
「猟区管理官ジョーピケットシリーズ」最新作です。

シリーズものとはいえ独立したストーリーなので、この巻だけを読んでも十分楽しめる内容になっていますが、登場人物の把握のためには他の巻も読んだ方がより楽しめるかなとは思います。


主人公ジョーピケットは、妻と3人の娘を愛する
猟区管理官です。
猟区管理官の仕事は、自然環境の保護やハンターの違法行為の取り締まりなどです。

悪質なハンターを逮捕する権限もあり、時には事件に巻き込まれる事もあります。

今回のこの「発火点」では、ジョーピケットと連邦政府の職員とで山に逃げ込んだ殺人犯の捜索にあたります。

見どころは政府関係者の感じの悪さと山火事の大迫力と言ったところでしょうか。

…と、一言では言いきれない、アメリカ社会の問題点も描かれていると思います。

私が大好きな登場人物ネイト・ノマロウスキの、「社会を動かしている特権階級の能なし官僚ほどひどいものはこの世にない。……」という言葉に作者の気持ちが要約されているような気がするのです。
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「言い訳だらけの人生」 平安寿子

鬼滅の刃」という漫画が今すごい人気だけど、思うに「鬼滅」は普段漫画やアニメに興味がない人々の方が熱中していて、普段から漫画やアニメが好きな人にとっては「フツーにいい。」くらいじゃないのものじゃないかなぁ。
大体「鬼滅」の原作の絵って………。

…なんて、私もなかなか漫画やアニメについて語るなあ(^_^;)

平安寿子さんの「言い訳だらけの人生」という本の中でも、アラフィフのおじさん達が、子どもの頃に好きだったアニメについて語ってます。

アニメを通じて自分の人生を振り返ったり、今の自分について考えたり。

登場人物は、家電メーカーに勤める修司、会社経営に失敗して自己破産した和彦、地元でガス設備会社に勤務する達也の3人です。
共通の知人の葬儀で再開します。

彼らの好きなアニメは「ガンダム」です。
彼らの語るガンダムは、キャラ設定やストーリーについての考察が深く、この本を読みながら私も「え、そんな深い内容だったの?」と、思う事もしばしばでした。

でも、たかがアニメでしょう?

興味のない人にはそう思えるかもしれません。

はっきり言って、この本の登場人物の肩書きはパッとしません。
お金持ちでも有名でもないフツーの人です。

そんな彼らが心に秘める「男のロマン」みたいなものが「ガンダム」なのかなあと思いました。

サラリーマンの修司は、こんな事を考えるのです。
「小さい、この世ならぬもので、つかのま、ほっとする。そんな気晴らしをつなぎ合わせて生き延びるさ。」と。

この言葉がすごく印象に残りました。
ああ、私と同じだなあと思ったからだと思います。
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「グラスホッパー」「マリアビートル」「AX アックス」 伊坂幸太郎

この3冊の本には、殺し屋が活躍する物語という共通点があります。

グラスホッパー」の主人公が「マリアビートル」にチョイ役で出ていたり、「マリアビートル」の登場人物が「AX アックス」にチョイ役で出ていたりするので、伊坂幸太郎さんの作品の中で「殺し屋」シリーズとして認知されているようです。

とはいえそれぞれ独立した物語なので、3冊全部読まなくてもそれぞれで楽しめます。

私は「グラスホッパー」について、
ハラハラドキドキの展開ではあるものの、命を軽視している印象があり、読んでいてちょっと暗い気持ちになりました。
まあでもそれは私個人の問題だと思います。

で、次の「マリアビートル」について、
この作品は、ハリウッドで映画化される事が決定しています。(グラスホッパーは日本で映画化されてますが)

主人公の殺し屋が面白いのです。
ダイ・ハード」という映画の主役に似ていると思います。
つまり、とても不運なのです。
そんな主人公を演じるのはブラッド・ピットさん。↓

https://news.yahoo.co.jp/articles/f91a93e3055cdeb4c5af4b86cca11ab0d1e6335f

原作のストーリーでは、サイコパスの少年が殺し屋を翻弄し、ハラハラさせられる内容です。
こちらは「命を軽視」という小難しい事は抜きにして、エンターテインメントとして楽しめました。

最後「AX アックス」について、私はシリーズの中ではこの作品が1番好きです。

主人公はやっぱり殺し屋なのですが、その事について罪悪感を抱え、常に辞めよう辞めようとしながらも辞められないでいます。

奥様に頭が上がらず、家族のために、家族を守ろうと必死なところがいいなあと思います。

そして、「自分、友達いないなあ。」なんて、ふと気づいてしまうところが可愛いのです。
主人公が好きだからこの作品が1番好きなのだと思いました。


私が何故この3冊の感想をまとめて書きたくなったのかと言うと、「グラスホッパー」「マリアビートル」「AX アックス」と、順番に読んでいく中で、なにか、物語の「死生観」のようなものに変化が感じられたからです。
それを私は訴えたかった!(`•ω•′)✧︎
でも、最後が「AX アックス」で良かったなあ。
ちょっと泣いちゃったよ。と、思いました。
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#名刺代わりの小説10選

Twitterの読書垢さんの間で、たびたび「#名刺代わりの小説10選」というハッシュタグを見かけます。

これは、このハッシュタグを付けて自分の好きな本を10冊書くものです。

私も以前書かせていただきました。
その時書いたのは以下の通りです。


星の王子さまサン・テグジュペリ
・小説智恵子抄佐藤春夫
深夜特急沢木耕太郎
・血脈/佐藤愛子
・パンとスープと猫びより群ようこ
・ZOO 1 、2/乙一
・私は存在が空気/中田栄一
・殺したのは私/メアリ・H・クラーク
・復讐のトレイル/C・Jボックス
・冬の伽藍/小池真理子


確かこの10冊を書いたと思います。

これらの本たちは、今までの私の心の拠り所であり、これからもずっとそうであるに違いない本たちです。

もう、1冊1冊の良さを熱く語りたいところなのですが、それをやると長くなっちゃうので今はやめておきます。

他の読書垢さん達の10選を見ていると、私の知らない本や作家さんについての書き込みがいっぱいあります。

もしかしたら、そういう本の中に、私も10選に入れたくなるものがあるのかも…?と、思う時があります。

そして、
「世の中には私の知らない本たちがまだまだたくさんあるんだなあ…。」と、考えたりしてワクワクしてしまうのです(^^)
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「スニヨンの一生」 佐藤愛子

この本の主役である「スニヨン」は、

1918年に台湾で生まれ、1979年に亡くなっています。

25歳で中村輝夫と名前を変え、日本兵として
モロタイ島で戦い、

そして

日本の敗戦で戦争が終わった後、モロタイ島にひとり取り残され、30年後に発見されるという、

実在の人物です。

この本は、そんなスニヨンについて、関係者の証言を集めたり、当時の事について書かれた新聞記事や手記を引用して作られています。

そのせいか内容にとりとめがなく、読んだ後にまとまった感想が思いつきませんでした。

と、言う訳で、とぎれとぎれになってしまった感想ですが、それをいくつか書いていきたいと思います。


「スニヨン」は、戦時中には「中村輝夫」
戦後には「李光輝」(リクワンホエ)と、名前が2回変わっています。
本書で、「スニヨンの一生」と、「スニヨン」という最初の名前をタイトルに使っているのは、それは何故か?
それは…、
李光輝が亡くなった時、最後に奥さんが「スニヨン!スニヨン!」と呼んだからかな?と思いました。

また、10年間彼を待ち続けて再婚した彼の奥さん。「李蘭英」さんについて、
再婚相手と戻ってきた元夫とはゴタゴタします。
それでも、奥さんは李光輝が帰ってきてとても嬉しそうでした。
それを私は、「乙女心かな?」と、思いました。

台湾の人々の証言は全然洗練されていなくて、その事が余計に心の中をそのまま見ているような、不思議な迫力があるなあと思いました。

李光輝が、記者から
「30年間取り残されたのは無駄な時間だったと思うか?」と、質問を受けた時、
「なにが?」と、怒ったような声で反問したあと、
「おくにのために行ったんじゃないか………しょうがないじゃないか。」と、言ったのが印象的でした。

…などなどが、私のとりとめのない感想です。


戦争の話になると「もう二度と戦争をしてはいけない!日本人は反省しなければ!」
という考えがセットになる事もあります。

でも、本書ではそんな教訓めいたものは一切感じられず、

ただ、激動の時代を懸命に生きた人々の、ありのままの姿を伝えたい、という作者の想いを感じました。
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※この本は、私が主人に「超お高いの!」と、愚痴ったら、安く売ってるサイトを見つけて買ってくれた本です。感謝感謝😊💕