Mayのブログ

読んだ本についての感想など。

「ハンニバル ライジング」 トマス・ハリス

最近、図書館通いが続いています。

そんな、本を選びたい放題の環境の中で私が選んだのが、この本「ハンニバル ライジング」です📕✨

この本が新刊として売られていた頃、私は前作の「ハンニバル」を読んで、思うところがあり、買わずに保留のままで過ごし、年月が経ってしまったのです。

そうして時を経て、ふたたび手に取り読んだ感想は…

「読んで良かった」のひとことにつきます。

やはりトマス・ハリスさんは良いですね😊

あらすじをざっくり言うと、映画&小説「羊たちの沈黙」での重要人物、レクター博士の幼少期〜青年期の物語です(言うまでもないか…😅)

レクター博士という怪物がいかにして作られたか…


最初は特に細かい部分を気にせず、可愛い妹ミーシャの事で心に深い傷を負うという…、いわゆる「天才が凄惨な経験をして怪物になった」みたいに単純に考えたけど、よくよく考えたらもっと奥深い、宇宙の法則みたいな神の導きのような大いなる力が働いたような気にもなりました。

神の子としてのタブーを犯したから?…みたいな。

それはそうと、ハンニバルの幼少期はとても穏やかで美しいものに囲まれた毎日でした。

私がとくに好きな場面は、小さなハンニバルユダヤ人のヤコフ先生と議論を交わすところです。

ヤコフ先生は知識人でありながら奢ったところはなく、どんな人間とも親しくできる人格者で、私はとても好感を持ちました。

ハンニバル少年に「記憶の宮殿」を教えてくれるのです。

そんなこともあり、私はハンニバル少年とヤコフ先生の議論する場面を、とても美しく微笑ましいものに感じました。

ああでも大人になったら可愛いハンニバル少年も怪物「レクター博士」になっちゃうのね🥲
…と、思うから、よりそう感じるのかも…。


それから、物語の重要人物でもある、伯父の妻で日本人女性の、紫夫人について。

日本人の私から見ると、「紫」という名前や甲冑、折り鶴などの日本文化の描写は、「う〜ん…」と、思わなくもないですが、作者の日本文化に対する情熱と理解の深さは本物だと感じられるので、細かい事はもういいやと思いました。

ところでこの「ハンニバル ライジング」は映画化されています。

映像は美しく俳優さんもイイ✨

紫夫人役の俳優さんはガッツリ中国人女性な感じですが、とても美しい方だし、ハリウッドならこれでいいのかもとも思いました。

でもストーリーに関してはちょっと物足りないかな…

映画のみをご覧になった方は、是非、原作も読んで、その違いを味わってもらいたいなと思いました。