Mayのブログ

読んだ本についての感想など。

「くちびるに歌を」 中田栄一

新垣結衣さん主演、アンジェラ・アキさん主題歌の映画、「くちびるに歌を」の原作です。

田舎の中学校に赴任した新任教師(新垣結衣さん)が、合宿部の顧問となって「NHK全国合宿コンクール」を目指すお話です。

主人公は合宿部員の男の子と女の子です。
自閉症の兄を持つ男の子と、母を亡くし、父が家出中という女の子の2人が、それぞれの想いを語りながらストーリーを進めていきます。

合宿コンクールの課題曲「手紙」にちなみ、顧問の先生は、部員達に「15年後の自分」宛に手紙を書く事を提案します。

主人公の男の子は、両親から自閉症の兄の世話を一生するように言い聞かせられていて、その事についての本当の気持ちを「15年後の自分」に宛てて綴っています。

こう書くと、両親は残酷な事を言っていて、彼も自分の不運を嘆いているのかも…と、推測したくなりますが、それはそれほどでもないのです。
でも、手紙の内容は読んでいて胸が詰まります。
そしてこんな両親は「毒親」…?と、思わなくもありません。
ですが私は自分に当てはめて考えると、そうは言いきれないなと思ってしまいます。

一方、もう1人の主人公である女の子。
部活のあり方に悩み、恋愛に悩み…彼女も様々な問題を抱えています。
そして、物語の最後には、この男の子と女の子の過去と現在を繋ぐサプライズが用意されているのです。

私はこの原作を読んで映画を観て、誰かのために何かをする人間の優しさって、いいなあ…と、思いました。

あと、ガッキーは笑わなくても可愛いかったし、共演の木村文乃さんもやはり美人さんだなあと思いました。