主人公の星野ちゃんは、もうすぐ「あのバス」に乗せられて、どこか遠いところに連れていかれる事になりました。
でもその前に、お別れを言うために、監視役の繭美という女性と一緒に5人の「元カノ」に会いに行きます…
…と、いうのが、この小説のざっくりストーリーです。
もしかしたら、
「こんな感じの話、どこかで…?」と、思った方もいらっしゃるかもしれません。
そうです。
これは、太宰治の「グッド・バイ」という小説のオマージュ作品とも言われているのです。
作者の伊坂幸太郎さんが担当編集者さんから、
「太宰治のグッド・バイを完成させませんか?」
と、持ちかけられて書いた小説なのです。
しかもこの小説、発表の仕方も変わっています。
が、その事の詳細はここでははぶきます。
ただ、出版業界が不振とも言われる中、こうして頑張る編集者さんがいる事に私は感動したので、ここでちょっと触れてみたくなりました。
前置き長い💦(> <)…本題に戻ります。
この小説は5つの短編で構成されています。
1人の女性につき、1話と言う事ですね(^^)
5股もかける「星野ちゃん」とは一体どんな人物なのか?
お金もなくイケメンでもない、ごくごく普通の男性…、しかもあんまり頭が良くない…という人物。
こんな男性がモテるなんて…?
でも、不思議と女性はこのような、「へなちょこで優男」という男性に惹かれるものなのです(一部のマニア?)
ああ…。この小説でも私が一番強く感じた事を書いてしまうとネタバレになってしまうんですよね…。
なのでここはひとつだけ。
作者の伊坂さんと同じく、私もこの5つの短編の中で4話目が一番好きでした。
世の中、誰でも大小問わず、心配事のひとつやふたつあるものです。
それが解決しなくても、心の中で「もういいや。」って思える事が大切なんだな、と思えるような短編でした。
以上です。(* u.u)) ペコリッ