Mayのブログ

読んだ本についての感想など。

歌野晶午さんの「絶望ノート」という本

お正月も終わってしまいました。
けれども、みなさんそれぞれ思い出に残るお正月を過ごされた事ではないでしょうか。

私はというと、お正月休みの間に一冊の本を読み終えました。
歌野晶午さんの「絶望ノート」という本です。
歌野晶午さんの本を読むのは初めてです。
文庫にしてはなかなかの厚みで、読み応えがありそうだったので選びました。
この本のすごいところは、これだけの厚みがありながら、最後まで読者を飽きさせないところにあると思います。

物語は、主人公の少年が命名した「絶望ノート」というノートに記された日記を中心に進んでいきます。
名前、「絶望ノート」ですよ。
穏やかな内容であるはずがありません。
内容は、主人公の少年がクラスメイトにいじめられるというものがほとんどです。
あとは、ちょいちょい自分の家庭の不満とかが綴られていたりします。
これだけ絶望的な内容だと、逆に、「次はどんな不幸が訪れるのだろう?」なんて、ワクワクしてしまうくらいです。
いや、ワクワクはひどい。
ハラハラですかね。
そのハラハラが途切れる事なく、最後まで読者を引っ張っていくのだからすごいのです。

でも私は「あの結末はおしかったな〜!」なんて、ちょっと思ったりしています。
後半、明るみにされる事実が多くてとっちらかってしまった印象があるのと、含みを持たせるようなラストが、個人的には好みではないからです。
人によってはこういう終わり方が好きな方もいると思うので、これは好みが別れるところではあります。
それと、少年のクラスメイトの大迫っていう子のキャラが好きだったので、もうちょい最後のほうにでも登場して欲しかったな…なんて思っています。

私の印象はこんな感じなのですが、本は実際に読んでみて、それぞれの人がいろいろな感想を持つものだと思います。
私と違って「ああいう終わり方がいいんじゃないか。」という印象を持つ人も大勢いるはずです。
なので、気になる方は是非、読んでみて下さい。
読者を飽きさせない展開は素晴らしいのでオススメです。