Mayのブログ

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「豊穣の海」 三島由紀夫

今年は三島由紀夫さんが亡くなってから、ちょうど50年たちます。

そういった想いもあって、この本の感想を書いてみたいなと思いました。

第一巻から第四巻までのこの長い物語は、本田繁邦という人物が、人生をかけて見つめる「転生」の物語です。

第一巻「春の雪」は
爵位を持つ人達の暮らしぶりが描かれています。
庶民の私から見て、今の日本とはかけ離れた
「一体どこの世界の話ですか?!」
と、思える程の優雅な暮らしぶりです。

けど、そんな暮らしをしている人は、やっぱり生きる事に対して甘いんだなあという感じがしました。
登場人物である20歳の若者は、悲恋のうちに亡くなるのです。

この巻の中で私が1番印象に残ったのは、美しい恋人同士が人力車で雪見見物をする場面です。

私にこんな経験があったとしたら、それを一生の思い出として大切にできる程の美しい場面だと思いました。


第二巻「奔馬」は、古い時代の精神を捨てきれず、世の中の腐敗を見過ごせない若者の物語です。

今の日本人には無駄にしか思えない精神ですが、彼の真っ直ぐな生き方は、清々しく美しいです。
とはいえ、そこまで頑張らなくてもいいのでは?…と、思いました。


第三巻「暁の寺」は、なんだかよく分かりませんでした。

タイのお姫様のお話なのですが、彼女の個性が見られないからです。

それより、彼女の国にまつわる仏教について深く考えさせられる内容でした。


第四巻「天人五衰」は、長い物語の終わりを告げるような内容です。

これまでの内容が現代の日本からかけ離れているのに対して、いかにも現実的で登場人物の若者の酷薄さが目立ちます。


この、第一巻から第四巻までの長い物語を通じて私が思った事は、三島由紀夫さんは少し変わった方だなあという事です。
けれども、この作品をキッチリ書き終えてから自決に向かった生真面目さには好感がもてます。
自決するような人が書いた作品には思えませんでしたけど。