Mayのブログ

読んだ本についての感想など。

「免疫学の巨人」

ニールス・イェルネ(1911-1994)と言う方をご存知でしょうか?

1984年、ミルスタイン氏、ケーラー氏と共に、

「免疫系の発達と制御の特異性に関する理論と、モノクローナル抗体の生成原理の発見」

という、私にはチンプンカンプンの研究で、ノーベル医学・生理学賞を受賞された方です。

私がこの方を知ったのは、脳科学についての本を読んでいる時に、たまたま名前が出てきたからです。

で、なんとなくすごそうだなと思い、調べてみたところ、以下のブログに出会いました。

https://cancerbiology.blogspot.com/2010/10/blog-post_22.html

このブログを書いた多田富雄さん(1934-2010)という方も実際すごい方です✨

がん研究の専門家で、本も多数出版されています。

そして、私にはこのブログ自体がなんかちょっといい感じだったのです。

なので、ますますニールス・イェルネという人物が気になり、

「免疫学の巨人イェルネ」

と、いう本を読んでみました。

読んでみました。

あ、2回書いちゃった。

なんていうか、読んでみたはいいものの、特になんの印象も残らない本だったのです。

しいて言えば、「なんか変わったおじさんの一生を読まされたな」みたいな。

内容的にはニールス・イェルネという人物の一生を描いた本なのですが、

伝記にしては感銘を受けるところが何もなく、

研究の凄さを知るには素人には分かりにくい表現なわりに、専門家には物足りないのではないかという、どっちつかずな本という印象でした。

けど、この変わったおじさんの人生は、ちょっとだけ波乱万丈です。

3度結婚されていて、最初の奥さんは自殺されています。

最初の奥様と最後の奥様はとても綺麗な方でした。

女性が好きな方なのかな?

う〜ん、けど、「無防備な若い女性を虐待するという若い頃からの夢」とか、一歩間違えたら犯罪者になりそうな事なんかも書いてあり……

……(´・ω・`;)


一部の研究者には神のように崇められているすごい方なのに……

そんなすごい方なのに、

それなのに、

こんな事書いちゃ駄目じゃん!!

と、思いました。

ですがこの本は、ニールス・イェルネさん本人が日記のように書き残したメモを元に、著者と本人との細かいやり取りの上で書かれた本なので、

なので駄目ではないのでしょう。

…いや、そういう事ではなく、やっぱり駄目です。

一方、それとは別なこの方の人物像として、人と議論をするのが好きだと思われるところがあります。

……と、ここまで書いたところで唐突ではありますが、感想のまとめに入ります。

この本のちょっと物足りない感じはニールス・イェルネさん本人の望んだ事で、本人は本当は、神みたいに崇められることではなく、若い研究者とも気さくに、自由に、多くの議論をしたかっただけなのかな?…と、思いました。

エイズには興味を示さず、「ウイルスが人間を殺しても、人類は絶滅しない。でなければ、とっくにそうなっていたはずだ。」とか、「人類のために何かをしたいと思ったことなどない」と、バッサリ言っちゃうところが本音すぎて面白いなと思いました。

ニールスさんの思いついた抗体の選択説は、まるで抗体が出会いを待っているかのようで「はたらく細胞」的に擬人化して想像してみたら、ちょっとロマンティックと言えなくもなく、研究を哲学としてとらえたりするところなどは、やはりすごい科学者なのだろうなと思いました。

変わったおじさんとか言っちゃってスミマセン(>_<)💦

本当は、ワインと本と詩が好きで、議論が好きな、一風変わった、好ましい科学者さん、です。

最後に、私のこのような、言いたい放題なブログを、最後まで読んで下さった方(いらっしゃるかどうかも分かりませんが)感謝致します🙏✨