Mayのブログ

読んだ本についての感想など。

「ヘルタースケルター」 岡崎京子


…先々週かな。

たまたま「ヘルタースケルター」という漫画についての感想ブログを読んだんです。

そのブログの作者は女性のようで、読みながら私は、「へー、こういう感想もあるんだ〜」とか思ったりしてました。

そう言えば以前テレビで、玉城ティナさんが好きな漫画として紹介していた事なども思い出し(映画の宣伝だったかもですが)、

この漫画は男性よりも女性に刺さるのかな?と、思いました。

実は、かくいう私も以前Twitterで、

「あの漫画は欲望の赴くままに見えて深いです。」
…と、フォロワーさんにリプした事があります。

でも、あとからよく考えてみて、
「深いって、何がだ?」
…と、自分にツッコミを入れたくなりました。

そんなこともあり、ここはひとつ、自分の考えをまとめるためにも感想ブログを書いてみよっかなぁ〜、なんて気持ちになったのです。

今さら感もありますが…。

でもその前に、他の人はどう思っているのかをもっと知りたくなり、ブログやYahoo知恵袋などを覗いてみました。

そしたらあるはあるは「ヘルタースケルター」についての感想が。

やはり映画化されたし話題にもなったからでしょうか?

中には、ガッツリあらすじが書いてあるものもあり、ネタバレ大丈夫だろうか…と、思ったりしました。

でも、映画のみの感想も多く、意外と原作を読んでいない人も多いのかな…と、思いました。

原作はなかなか過激な漫画なので、好き嫌い別れるかもしれません(私は好きですが)。

さて、長々と前置きを書きましたがここからが私の感想です。

まずはざっくりあらすじを…。

全身整形手術をして美しくなったりりこは、モデルとしてみんなからチヤホヤされてテレビに映画に引っ張りだこです。

でも、整形手術の後遺症に悩まされ、自分がいずれモデルとして使い物にならなくなることを知っています。

後遺症による痛みを紛らわそうと、怪しい薬に手を出し、心も身体もボロボロになって仕事も激減し、破滅へと向かっていくのです。

…てな感じ。

こうして見ると、ストーリー自体はわりとありがちかもしれません。


でも、なんだろうな…。

何かを感じるんです…。

なんていうか、

この漫画に、私は「欲望」だとか「搾取」だとか、そういったものの存在を感じるのです。

「欲望」は、

「美しくなりたい」「モテたい」
「チヤホヤされたい」とか…

または、そういうものの象徴を眺めて、疑似体験してみたい…とか。

そんな感じ…?

整形手術で美しくなったりりこは、インタビューではみんなが望むような事を喋り、綺麗に着飾って写真に撮られています。

でもそれは本当の自分じゃない。

自分を偽る事でりりこの心は疲弊し、それと同時に自分のファンを憎むようになります。

ファンのことを「整形前の醜い自分をバカにするような、浅はかな人達」と、思ったのかもしれません。

実際マネージャーは、整形前のりりこにそっくりな彼女の妹に対して「しっかし…すっげえブスだったなあ」と、蔑むような言い方をしています。

それをりりこが聞いたかどうかは分かりませんが、もし聞いていたとしたら、どう思ったでしょうか?

妹は唯一りりこが心を許せる相手だったはずです。

そのへんのりりこの心境もとても気になるところです。

それともうひとつの「搾取」とは?


美しさはそう簡単に手に入るものではありません。
りりこの美しさは、彼女の身体や心、人生の全てと言っていいほどのものを犠牲にして手に入れたものです。


美しさでファンを魅了するために。

そんな「ファンの皆さん」という存在が、りりこの人生を搾取しているように、私には感じられるのです。

それとあと、事務所の社長です。

りりこに整形手術をうけさせた張本人で、彼女の夢は、昔の自分そっくりに美しくなったりりこを伝説にする事です。

その社長が、自分の夢のためにりりこの人生を搾取しているように、私には見えました。

「欲望」と「搾取」。

この言葉は、男性よりも女性の方がより強く感じているのではないかと思います。

なぜなら、欲望の対象として性を売るのは男性よりも女性の方が多いからです。
(きちんと調べた訳ではないけど、多分そう!(`•ω•′)✧︎)

そんな、欲望の対象となったりりこは、人生を搾取されてもメソメソするようなか弱い女性ではありません。

「んな事させるかバーロー!!」とか
「さもなくば犬のようにくたばってやる」と、言い切る、野性味溢れる強い女性です。

そうして行き着く果てが、フリークス…ある種の奇形が出演するショーです。

本当は、後輩モデルやヘアメイクさんや検事さんなど、ほかの登場人物や背景などについて、もっと語りたかった…。

でも、長くなるのでここまでにしておきます。

最後に、

作者がもし事故にあわれなかったら続編は、私はあったと思います。

けど、

あれで終わっても違和感はなく、読者がいろいろ想像出来る楽しみもあって良いと思います。

映画と原作はずいぶん違うけど、私はそういうものだと思っています。

マネージャー役の寺島しのぶさんが良かった。

原作のりりこは凄味があるけど、沢尻エリカさんが演じた映画のりりこは、あどけない感じがして、どこまでも綺麗で、ちょっと可愛らしくて、それはそれで私は良かったと思います。


こんなブログを最後まで読んで下さった方(いるかも分かりませんが…)、
お時間とらせてすみません💦ありがとうございました🙇‍♀️