「漁港の肉子ちゃん」 西加奈子
10代で家を出た肉子ちゃんは、男の人に騙されてボロボロになって漁港に辿り着き、そこでシングルマザーとして土地の人に助けられながら暮らしていく…。
と、いうのがざっくりのあらすじです。
「肉子ちゃん」というのはもちろんあだ名で、本当の名前は「菊子」。
で、娘の名前は「喜久子」といいます。
この、漢字は違うけど読みが一緒な名前の秘密はラストで明かされるので最後まで必見です。
ストーリーは娘の視点で書かれています。
「天真爛漫な母親と、そんな母を冷静に見つめる娘」といったかたちです。
肉子ちゃんのキャラクターはとにかく明るいので、冷静な娘さんとのやりとりは微笑ましく、文章のテンポも良く表現もユニークです。
けれども、私には合わないところがありました。
それは、肉子ちゃんが漁港に初めてきた日の描写です。
雪の降る描写を「解けねえぞ」と、叫んでいるようとか、強いとかいう表現をしていて、それが私のイメージとは真逆なのです。
私が北国の雪に持つイメージは、何度も何度も解けながら諦めないで少しづつ少しづつ積もってゆく、そんな地道に頑張るイメージなのです。
(雪国そだちなもので、ここはちょっと気になりました。スミマセン💦)
とはいえ
多くの人を感動させる優れた小説である事は間違いないとおもいます。