「魔女とキリスト教〜ヨーロッパ学再考〜」 上山安敏
とても興味深い内容ではあるものの、私にとってはとてもハードルの高い本でした…(´×ω×`)
まず魔女の事を知るには宗教の知識が必要になるからです。
この本によると、古代ヨーロッパで広く信仰されていたディアナ信仰は母性宗教であるため、父性宗教であるキリスト教の布教に影響していた…らしいです。
そしてその布教の過程で生まれたのが魔女??…みたいな…。
簡単に言うとそういう事ではないかと思いました。
…とても大雑把な解釈ではありますが。
でも面白かったのは、母性宗教に寛大だったヨハネとそうではなかったパウロは仲が悪かったという記述です。
私にはどの部分がそうなのかは分かりませんが、ヨハネの黙示録はパウロへの当てつけではないかという解釈があると書いてあり、
そうなると宗教が神秘的なものではなく、人間によってコントロールされているものなのかもしれないとすら思えてしまいます。
そしてそれが「魔女裁判」のような理不尽がまかり通った理由ではないか?…と。
私が思っていたよりも魔女に関する伝承は古く考察は深く、サバトでは媚薬(幻覚による空中遊泳?)や人喰い、幼児殺しなどの残虐な事が行われていたようです。
これまで私が思っていた魔女のイメージは、宮崎駿監督の映画「魔女の宅急便」に代表されるような可愛らしいものだったのですが…。
ですがこの本を読んで、人間の欲望に翻弄された歴史を持つ、複雑な存在というイメージに変わりました。