「発火点」 C・J・ボックス
アメリカの作家、C・J・ボックスさんの
「猟区管理官ジョーピケットシリーズ」最新作です。
シリーズものとはいえ独立したストーリーなので、この巻だけを読んでも十分楽しめる内容になっていますが、登場人物の把握のためには他の巻も読んだ方がより楽しめるかなとは思います。
主人公ジョーピケットは、妻と3人の娘を愛する
猟区管理官です。
猟区管理官の仕事は、自然環境の保護やハンターの違法行為の取り締まりなどです。
悪質なハンターを逮捕する権限もあり、時には事件に巻き込まれる事もあります。
今回のこの「発火点」では、ジョーピケットと連邦政府の職員とで山に逃げ込んだ殺人犯の捜索にあたります。
見どころは政府関係者の感じの悪さと山火事の大迫力と言ったところでしょうか。
…と、一言では言いきれない、アメリカ社会の問題点も描かれていると思います。
私が大好きな登場人物ネイト・ノマロウスキの、「社会を動かしている特権階級の能なし官僚ほどひどいものはこの世にない。……」という言葉に作者の気持ちが要約されているような気がするのです。