「狼の領域」 C・Jボックス
この本は、アメリカのベストセラー、「猟区管理官ジョー・ピケット」シリーズのうちのひとつです。
シリーズと言っても1話完結型なので、
「最初の作品を読んでないからわかんない!!(>人<;)💦」…なんて事にはなりません。
実際私はこの、9作目の作品をはじめて読んで、
「凄いなあ!(✪▽✪)✨」と、感動したのです。
なので、シリーズのどの作品から読んでも全然OKだと思います。
それでは、この9作目にあたる「狼の領域」について、
一体どんなところを凄いと思ったのか、私なりに語っていきたいと思います。
主人公ジョー・ピケットは「猟区管理官」という、ちょっと日本では聞きなれない仕事をしています。
これは、狩猟に関する違法行為を取り締まる仕事です。
その中で彼は、大自然の中で暮らす、ある複雑な過去を持つ兄弟を取り締まらなければならない立場に立たされます。
その兄弟は人間として間違った事をしている訳ではないのですが、国の決めた法律を犯しているのです。
彼等はジョー・ピケットに対して「政府側の人間」と、言います。
それに対しジョー・ピケットは、「政府側の人間ではない。野生生物側の人間だ。」と、考えます。
そんな真面目なジョー・ピケットなので、彼等に真摯に立ち向かうのです。
その結果、「もうこれは刺し違えるしかない!」とまで追い込まれ、
圧倒的に自分より強いと思われるこの兄弟に負ける事まで予測し、死を覚悟します。
ジョー・ピケットは、ヒーローでも何でもない普通の男なのです。
このシリーズは、全編通して大自然の描写の素晴らしさと、主人公の、「不器用で真面目な男」と、いうキャラクターがストーリーの基本にあり、それが話を面白くしていると思います。
特にこの「狼の領域」では、死を覚悟した主人公の、考える事や感じる事には神聖さすら感じます。
その事を私は凄いと思い、深い感動を覚えるのです。