アークノア1「僕のつくった怪物」 乙一
本屋さんに行くと、ついつい探してしまう本があります。
乙一さんのアークノアシリーズ、3巻です。
2巻の「ドラゴンファイヤ」が出版されてからずい分経つので、そろそろかな?と、思い、探しています。
でも、ありません。
で、さっきちょっと調べたのですが、
3巻の発売予想は2021年3月24日となっていました。
けっこう先ですね。
でもこれ、「発売予想」なので正確ではありません。
さらに分かった事は、この小説は三部作になっていて3巻で完結との事でした。
3巻楽しみです。けっこう先だけど…。
さて、ここからが本題。
乙一さんのアークノアシリーズ1巻「僕のつくった怪物」についての感想です。
まずはストーリーのざっくり説明から。
この物語は異世界モノです。
いじめられっ子の兄弟、アールとグレイが異世界「アークノア」に迷い込みます。
それと同時に、兄弟それぞれの心の闇が「アークノア」で怪物となって現れてしまうのです。
彼らが元の世界に戻るには、この怪物を退治しなくてはいけません。
もし退治できなかったら…。
…みたいなのが、ざっくりとしたストーリーです。
ところで、他にもこの本の感想を書いてる方がいました。
そしてその方は、この物語を「凡庸」と書いていました。
「凡庸」…。
うーん…。
実を言うと、この方がそう書く気持ち、私もちょっと分かるんですよね。
確かに私も、他の乙一さんの作品に比べたら「凡庸」かな…、と…。
でもこの物語は、ちょっと自分に自信が持てない私にとって、心に刺さる部分がいくつかあるんです。
例えば、アールの弟であるグレイは、いつも他人に嫌われような言動ばかりをとってしまいます。
その事に関して、
“嫌われてるほうが楽なんだ。ずっとずっと楽なんだ。”と書いてある部分があります。
私も他人に対して、よく、こんな考え方をしていたのです。
なので、ここを読んだ時、他にも自分と同じような考えを持つ人がいたと思えて、ちょっと嬉しくなりました。
そもそもこの物語は、冒頭からこの兄弟が受けたいじめのエピソード満載なのです。
同じような経験を持つ人にとっては心に刺さる部分も多いのではないかと思います。
その他にも私の心に刺さる部分があります。
「ハンマーガール」と呼ばれる女の子のキャラクターです。
この女の子は、アールやグレイと一緒に怪物退治をするのが仕事です。
でも、とある理由から、彼らと距離を置かなくてはいけません。
しかも、彼女はアークノアの多くの住人から恐れられています。
そんな彼女は私にとって、強がりで孤独な少女というイメージがあり、そこが私の心に刺さるのです。
心の闇だとか孤独だとか、私の心に刺さる部分が多いこの物語。
3巻では一体どんな結末を迎えるのか、そこのところが今からとっても楽しみです。