Mayのブログ

読んだ本についての感想など。

哀しさ優しさ香しさ 曽野綾子

かねてから私は、ソノアヤコさんのいう、「やらないよりかはマシと言う言葉が好きではない。」との言葉の真意が分からず、共感出来ませんでした。

たとえ一円でも募金しないよりはマシでしょう?それのどこがいけないの?…と。

でも、この本を読んで「ああ、成程。」と、思いました。

それは、「人道主義を貫くなら自分は損する覚悟、または死ぬ覚悟すら必要な場合もある。」…みたいな文章を、この本の中にみつけたからです。

曽野綾子先生が言いたいのは、「痛みをともなわない、ちょっとくらいの“イイコト”をしただけで調子乗んな」って事なのかな?と、思いました。

曽野先生の言葉って、いつも単純に解釈できないのです。

けど私は、そのちょっとの“イイコト”は、社会を良くするのに役立つので、それはそれで良いと思うのです。

 

「善行」というよりは、「社会システムに役立つ事」として好意的にみればよろしい

そしてそれは、「善行」ではないと理解していれば。

そう言う考えに至り、私は自分なりに納得ができてスッキリしました。

 

他にも、フジモリ元ペルー大統領をかくまった時のエピソードや、人権、教育問題、外交、政治などについての興味深い内容が、この本には盛り沢山でした。

そしてそれらについて、聖書の言葉を引用して考察されてる箇所がいくつかあり、曽野綾子先生ならではだと思いました。

だいたい1999年前後の出来事ではありますが、現代にも残る問題がたくさんあります。

今の日本の問題点を考える時に、参考になるのではないかと思いました。

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