「若くない日々」
藤堂志津子さんという作家さんの本です。
「若くない日々」。
これ、妙齢の女性にとっては、なんとも切ないタイトルです。
この本は、5つの短編からできています。
タイトル通り、主な登場人物は「若くない人」です。
年齢でいうと50代。
これは、若年から老年への転換期…そんな揺れ動く世代なのです。
そんな世代の人たちが感じる、さまざま出来事が描かれています。
私は、「ドリンカー」という短編の主人公が、厭世的な気分になった後、吹っ切るように「仕方ない」と、言うのが強く印象に残りました。
人に親切にするのに「仕方ない」と、言うのです。
若い人なら人に親切にするとき、「〜しなくちゃ!」と、言うところを、若くない人は、「仕方ない」と、言うんだなあと思ったのです。
他にも、歳を重ねるのは、「余分なもの」を抱え込む事だと気付いたり…、忘れてた過去の出来事を思い出して感慨にふけったり…。
この本の内容は、どれもこれも若くない自分が共感できるものばかりでした。(まだ50代ではないけれど)
そして、「若くない日々」を、よりよく過ごすヒントをみつけたような気がして、読み終わった後、安堵に似た気持ちを覚えました。