Mayのブログ

読んだ本についての感想など。

図書館で借りた本のこと

先週の水曜日、図書館へ行ってきました。
図書館を利用するのは久しぶりです。
この日借りた本は全部で4冊。
なんとなく目についた本を気軽に借りてみた、というところです。
返してしまう前に、一冊ずつ、読んだ感想などを記しておこうかなと思いました。

1冊めは
「ロシアの大人の部屋」(辰巳出版)という本です。
この本はまんまロシアの一般家庭のインテリアを紹介したものです。
オシャレな部屋の写真がメインで…まあ、見て楽しむものですね。
日本では、ミニマリストといった、「物を少なく心を豊かに」といったライフスタイルが注目されましたが、この本はどちらかというとその逆です。
多くの雑貨やインテリアを楽しむ事を紹介する本です。

ロシアの人々が棚の上にマトリョシカを並べたり、キリストの絵画を飾ったりするのは、日本でいったら、招き猫やダルマを箪笥の上に置いたり、お釈迦様の絵を飾ったりする事と一緒なんだろうけど、何でこんなオシャレなのかが不思議でした。

たくさん雑貨があって、カーテンや壁紙やシーツも奇抜な色や柄なのですが、部屋全体がまとまって見えるのは、ロシア人には日本人が持ち合わせていない、センスの良さを持っているからだと感じました。

二冊めは
「ワイン&チーズ バイブル」(日本文芸社)という本です。
これもまんまワインとチーズの事を紹介する本です。
ワインの事をよく知らない私にとっては基礎的な事を学べる本でした。
例えば、カベルネ・ソーヴィニヨンがぶどうの品種の事だとか、ボトルの形でワインの産地が分かるという事などは、常識なのかもしれませんが、私は知りませんでした。

チーズについても同様です。
チーズにできる穴をガスホールという事や、チーズの種類や、カビとチーズの関係などが、分かりやすく説明されていました。

でも本当は、そういう知識を学べる文章よりも、美味しそうな写真や説明文がいっぱいあったところが気に入って借りたのです。
チーズを使った美味しそうな料理の写真や、このワインにはこのチーズが合うといった簡単な説明文とかです。
この本を見つけた時、お腹が空いていたのかも…。

この本を返してしまったら、ワインやチーズについての知識はすっかり忘れてしまって、美味しそうだったなあ…という印象しか残らないのではないかと思っています。

3冊めは
平安寿子さんの「あなたにもできる悪いこと」という本です。
気軽に読める、私が好きな作家さんの本です。
主人公は、詐欺や恐喝スレスレのような仕事をしている男性で、彼が商売相手に仕掛ける心理戦が面白く、偽善的な世の中を俯瞰しているような、小気味よいお話でした。

4冊めは
藤堂志津子さんの「かげろう」という本です。
藤堂志津子さんは、札幌在住の作家さんなせいか、北海道の人特有の何かを感じさせる部分があって、そういうところがいいなあと思うのです。

この本は、3つの短編からなっています。
最初の「かげろう」という話は、人って見かけによらないんだなあ…という事を、しみじみ思い知らされる内容です。
主人公の未亡人の女性に、「そんな簡単に他人を信用しちゃだめだよ!」って、言いたくなります。
驚きの結末だけど、納得かなあ…と、思ったりしました。

次の「あらくれ」は、小料理屋を経営する中年女性が主人公で、健全な社会から少し距離を置いて暮らしている感じの人たちの話です。
胸を張れるような生き方ではないけれど、来るものを拒まない流されるような生き方は、ほんのりとした優しさを感じて好感が持てます。

最後は「みちゆき」という話です。
前述の2つの話より、インパクトは弱い感じですが、いろんな人生、いろんな考え方があるんだなあ…と、しみじみ思えてしまう、感慨深い話です。

以上の4冊、どれもそれぞれ面白いものでした。
返さなければいけないのは残念ですが、もらっちゃうとかは駄目なので、ちゃんと来週返しに行こうと思っています。