Mayのブログ

読んだ本についての感想など。

「魔女とキリスト教〜ヨーロッパ学再考〜」 上山安敏

とても興味深い内容ではあるものの、私にとってはとてもハードルの高い本でした…(´×ω×`) まず魔女の事を知るには宗教の知識が必要になるからです。この本によると、古代ヨーロッパで広く信仰されていたディアナ信仰は母性宗教であるため、父性宗教であるキリ…

「猫のよびごえ」 町田康

私が町田康さんを初めて知ったのは、30年位前に姉が買っていた日本のロック専門雑誌で、です。当時姉は、ストリートスライダーズというバンドのファンで、私はTMネットワークや松岡英明さんのファンでしたまあそれはさておき、そんなふうに町田さんは、もと…

「発火点」 C・J・ボックス

アメリカの作家、C・J・ボックスさんの 「猟区管理官ジョーピケットシリーズ」最新作です。シリーズものとはいえ独立したストーリーなので、この巻だけを読んでも十分楽しめる内容になっていますが、登場人物の把握のためには他の巻も読んだ方がより楽しめ…

「言い訳だらけの人生」 平安寿子

「鬼滅の刃」という漫画が今すごい人気だけど、思うに「鬼滅」は普段漫画やアニメに興味がない人々の方が熱中していて、普段から漫画やアニメが好きな人にとっては「フツーにいい。」くらいじゃないかなぁ。 大体「鬼滅」の原作の絵って………。…なんて、私もな…

「グラスホッパー」「マリアビートル」「AX アックス」 伊坂幸太郎

この3冊の本には、殺し屋が活躍する物語という共通点があります。「グラスホッパー」の主人公が「マリアビートル」にチョイ役で出ていたり、「マリアビートル」の登場人物が「AX アックス」にチョイ役で出ていたりするので、伊坂幸太郎さんの作品の中で「殺…

#名刺代わりの小説10選

Twitterの読書垢さんの間で、たびたび「#名刺代わりの小説10選」というハッシュタグを見かけます。これは、このハッシュタグを付けて自分の好きな本を10冊書くものです。私も以前書かせていただきました。 その時書いたのは以下の通りです。 ・星の王子さま…

「スニヨンの一生」 佐藤愛子

この本の主役である「スニヨン」は、1918年に台湾で生まれ、1979年に亡くなっています。25歳で中村輝夫と名前を変え、日本兵として モロタイ島で戦い、そして日本の敗戦で戦争が終わった後、モロタイ島にひとり取り残され、30年後に発見されるという、実在の…

「銀河に口笛」 朱川湊人

ひとことで言えば「子供の頃をノスタルジックに思い出せる小説」です。ですがそれ以外の要素も混ざっていて、ちょっと余計では…?と、感じるところもありました。それは、物語の合間に「キミ」と語りかけながら、主人公が昔の事を回想するところです。 「キ…

「詩的私的ジャック」 森博嗣

この小説は、森博嗣先生の作品の中でS&Mシリーズと呼ばれている、 大学生の西之園萌絵ちゃんと犀川先生のコンビが事件を解決するミステリー小説です。私がS&Mシリーズの中で読んだ事があるのは、 この「詩的私的ジャック」と、「すべてはFになる」の2冊だ…

「バイバイ、ブラックバード」 伊坂幸太郎

主人公の星野ちゃんは、もうすぐ「あのバス」に乗せられて、どこか遠いところに連れていかれる事になりました。でもその前に、お別れを言うために、監視役の繭美という女性と一緒に5人の「元カノ」に会いに行きます… …と、いうのが、この小説のざっくりスト…

「元素生活 」 寄藤文平

「元素」ってなんだっけ?中学のときに理科で習った、 「物を小さくしていって、もうこれ以上は小さくできない!!」ってくらい小さくした物の事だっけ? 確か、「周期表」とやらを「水平リーベ…」とかなんとか言いながら暗記したような…。私にとって「元素」…

「花の鎖」 湊かなえ

この物語の主な登場人物は、同じ町に住む3人の女性です。伴侶を愛し、献身的に尽くす女性。商店街の和菓子屋でアルバイトをする傍ら、絵画教室で講師を勤める女性。勤めていた英語教室が経営破綻し、職を失ってしまった女性。この3人です。彼女たちの共通点…

「くちびるに歌を」 中田栄一

新垣結衣さん主演、アンジェラ・アキさん主題歌の映画、「くちびるに歌を」の原作です。田舎の中学校に赴任した新任教師(新垣結衣さん)が、合宿部の顧問となって「NHK全国合宿コンクール」を目指すお話です。主人公は合宿部員の男の子と女の子です。 自閉…

「恋愛嫌い」 平 安寿子

再読の本です。最初に読んだ時はラストに納得できなくて、 「それでいいのか?!」 と、思ったのですが、再読した時は、 「それもアリかも。」 と、思えた本です。再読でラストを納得できたのは何故か?と、いう疑問があり、この本の内容を再びブログにまとめ…

「受験脳の作り方」 池谷裕二

「受験脳の作り方」。 なんとも気になるタイトルの本があったもんだと思いました。けれども私がこの本を読んだきっかけはタイトルに惹かれたからではありません。この本の著者さんの、他の本を何冊か読んだ事があって、その内容がとても分かりやすく読みやす…

「豊穣の海」 三島由紀夫

今年は三島由紀夫さんが亡くなってから、ちょうど50年たちます。そういった想いもあって、この本の感想を書いてみたいなと思いました。第一巻から第四巻までのこの長い物語は、本田繁邦という人物が、人生をかけて見つめる「転生」の物語です。第一巻「春の…

「運のつき」 養老孟司

解剖学者、養老孟司先生の本です。この本は、先生が解剖学者になった経緯や、ご自身の経験、普段考えてる事などについて書いてあります。解剖学者は言うまでもないなく死体を解剖する仕事です。そうなると「死」は遠いものではなく、日常的なものになるみた…

「つんつんブラザーズ」 森博嗣

この本は、森博嗣さんの100のエッセィが詰まった本です。文庫書下ろしなので、ちょっとだけ最近の話題かな?…みたいな…、例えば、「老後資金二千万円問題」や、「1人で死ねばいいのに問題」などについて書いてあったりします。他には、 「毎日RITHというお菓…

「ほろにがいカラダ」 藤堂志津子

この本は「桜ハウス」という作品のシリーズです。 と言っても、それぞれ独立したストーリーなので、前作を読んでいなくても楽しめます。登場人物は「桜ハウス」に住む女性達です。 それぞれ年齢はバラバラで、独身やシングルマザー、バツイチなど、生き方も…

「ついに、来た?」 群ようこ

この本は、8つの短編からできている本です。全て親の介護をする娘目線のエピソードであり、なかなか感慨深いものがありました。最初の短編「母、出戻る?」は、53歳の母親が、家出をして好きな男性の所へいってしまうという仰天のエピソードです。2つ目の短…

魔が解き放たれる夜に メアリ・ヒギンズ・クラーク

数日前の事ですが、アメリカの作家、メアリ・ヒギンズ・クラークさんの訃報が届きました。 92歳でした。「サスペンスの女王」と呼ばれ、多くの作品を世に残した方です。この「魔が解き放たれる夜に」という作品もそのうちのひとつです。この物語の主人公であ…

鷹の王 C・Jボックス

前回、「狼の領域」という本のブログを書いた時、大切な登場人物の事を書き忘れた!…と、思いました。 それがこの小説の主人公、ネイトです。 ネイトは普段、「ジョー・ピケットシリーズ」の中では、「謎の組織に追われているために隠れて暮らし、ジョーが困…

「狼の領域」 C・Jボックス

この本は、アメリカのベストセラー、「猟区管理官ジョー・ピケット」シリーズのうちのひとつです。 シリーズと言っても1話完結型なので、「最初の作品を読んでないからわかんない!!(>人<;)」…なんて事にはなりません。 実際私はこの、9作目の作品をはじ…

「ネコと昼寝」 群ようこ

「ネコと昼寝」。 私ならこのタイトルでゴハン3杯はいけます。 …って、ネコは食べ物じゃないし。私はただ、それくらいステキなタイトルだと思ったのです。 この本は、群ようこさんの「れんげ荘」物語のひとつです。主人公キョウコさんは、いろいろあって仕事…

「SOSの猿 」 伊坂幸太郎

この本は私が、「元気が出るために本を買おう…、でも、もうこの世にいない人の本は辛くて読めないなあ…。」などと考えながら、迷いに迷ったあげくに買った本です。 どういうお話かと言うと、他人からのSOSを無視できない主人公が、無力な自分に悩みつつ、悪…

アークノア1「僕のつくった怪物」 乙一

本屋さんに行くと、ついつい探してしまう本があります。乙一さんのアークノアシリーズ、3巻です。2巻の「ドラゴンファイヤ」が出版されてからずい分経つので、そろそろかな?と、思い、探しています。 でも、ありません。 で、さっきちょっと調べたのですが…

風の墓碑銘(エピタフ) 乃南アサ

夏休み後半、おもに私は、「女刑事 音道貴子シリーズ」を読んで過ごしていました。 乃南アサさんのミステリー小説で、音道貴子という女刑事さんが活躍するシリーズです。長編もあれば短編もあります。 そこで今回はその中のひとつ、「風の墓碑銘(エピタフ)…

「死神の浮力」 伊坂幸太郎

死神である「千葉」は、事故や他殺など、特別な理由で亡くなる事が予定されている人間に対して調査をし、予定通りに死なせるかどうかの可否を決定する仕事をしています。 今回その調査対象となっている人物が作家の山野辺です。 彼は、一人娘を知り合いの青…

となりの怪物くん

この漫画は長女が大好きな漫画です。 そして私も大好きです。 読むのは3回目ですかね〜。 内容分かっていても、いちいち感動してしまうんですよ…。 まあ、ゴリッゴリの少女漫画なのですが、恋愛あり友情ありの感動作です。 主人公の水谷雫ちゃんは、シベリア…

スカイ クロラ 森博嗣

この本の主人公が戦闘機のパイロットという、死と隣り合わせの仕事をしているせいか、前半はずっと、読みながら「死」について考えたりしていました。 うーん…でも、掴みどころのない小説ですね。 読んでる時はすごく感傷的な気持ちになると言うか…不思議な…